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第6回 K・J MATSUI 日本人最初のNCAAディヴィジョン1選手

  K・J Matsui こと松井啓十朗は、日本人としてはじめてNCAAデヴィジョン1の選手になりました。

  松井は1985年10月16日に東京に生まれました。バスケットボールとの出会いは小学校1年生。バルセロナオリンピック(1992年)でのマイケル・ジョーダンとUSドリームチームの活躍に感動した父にすすめられるがままにバスケットボールをはじめました。それまではサッカーをやっていたそうですが、厳しい父に逆らうことができずにバスケットボールをはじめたそうです。
  最初のうちはバスケットボールに興味がもてませんでした。しかし、続けているうちにどんどん好きになっていきました。
  そして、21歳。コロンビア大学に入学し、シューティングガードとしてレギュラー目指し奮闘しています。

  (取材 : 高橋)



#1 日本人としてはじめてNCAAディビジョン1でプレイするということをどのように感じていますか?
  いろいろな方からよく聞かれることですが、自分が日本人初であるということをあまり気にせずにがんばらなければいけないと思っています。自分が一番だと思うとよい選手になれないので、日本人初であるということを気にせず、自分でできることをがんばってやっています。
#2 バスケットボールをはじめたきっかけは?
  小学校1年生(6歳)のときに、バルセロナオリンピック (1992年)で活躍するマイケル・ジョーダンを見て感動した父に “バスケをはじめろ” と言われたことです。それまではサッカーをやっていたんですけど。
 
Columbia University K.J. Matsui


#3 バスケットボールをはじめたのはお父さんに言われたからで、自分からはじめたわけではないのですね?
  (笑顔で)そうです。父に言われてはじめました。怖い父親だったので、反抗することはできませんでしたね。でも、そのあとに、マイケル・ジョーダンのグッズを買ってくれたり、一緒にプレイしてくれたりして、自分もだんだんとバスケットボールが好きになっていきました。特にシュートが決まる瞬間、ボールがリムに入る瞬間が大好きです。
#4 こちらではバスケットボールのコートが数多くあり、車庫にバスケットボールのゴールがとりつけてあったりなど、バスケットボールをやりやすい環境にありますが、日本ではそうでもないですよね?
  私の場合は、幸運にも、近所の公園にバスケットのリングがあったんですよ。そこで小学校の頃から練習してました。父親の方針でミニバスケットなどはやりませんでした。プレイに変な癖をつけたくなかったみたいです。シュートやドリブルのほとんどを父から習いました。
  現在、トヨタのヘッドコーチをしているジョン・パトリックさんがナイキ主催のキャンプを開催していて、私は小学校4年生のときに参加しました。そのキャンプに田伏さんは高校生で参加していました。ちょうどそのとき、モントロースクリスチャン高校のチームがヘッドコーチと一緒に来日していたんです。その高校生のプレイを見てアメリカでプレイしてみたいなって思いました。
#5 それでは、モントロースクリスチャン高校(メリーランド州)を選んだのはジョン・パトリックさんがいたからですか?
  そうです。アメリカの高校でバスケットボールをプレイしたくて、モントロース高校のコーチやパトリックさんに話を聞きました。そして、“英語を勉強しなさい” と言われて英語を勉強しました。
#6 何歳で渡米しましたか? ホームシックになりませんでしたか?
  14歳です。最初の1〜2ヶ月はホームシックにかかりました。でも、そのあとは、バスケットボールや授業があってホームシックにかかっている余裕がありませんでした。
#7 言葉や文化の違いで、チームメイトやコーチとコミュニケーションをとることは難しかったですか?
  バスケットボール用語はある程度分かっていたので、それほどコミュニケーションに問題はありませんでした。ただし、授業は大変でした。
#8 モントロースクリスチャン高校はバスケットボールで全米トップ50にランキングされていますが、そのチームの一員であるという自覚はありましたか?
  3年生、特に4年生(アメリカの高校は4年制)になってからは、“自分のチームなんだ” という自覚はありました。4年生が2人しかいなかったこともありますが、自分がしっかりチームをリードしていかなければいけないという気持ちでした。
#9 Nike Hoop Summit に出場していますが、その感想は?
  この試合にはすごく出場したいと思っていましたが、無理だなと諦めてもいました。でも、幸いにも、イタリアかどこかの選手が出場できなくなって、その代わりに自分とチームメイトが出場できることになったんです。本当に嬉しかったです。全米トップ10の高校生選手と対戦できたことはいい経験になりました。アメリカのトップクラスの高校生は体格も技術力も違うと思っていましたが、それほど大きな差があるわけではないと実感しました。
#10 コロンビア大学を選んだ理由はなんですが? メディアガイドによると、ニューヨークということ、ヘッドコーチ ジョーンズの情熱に惹かれたと書いてありましたが?
  都会が好きなので、ニューヨークがいいなと思っていました。ヘッドコーチ ジョーンズの情熱も好きです。しかし、なによりもアイビーリーグで学ぶことができるということです。
#11 コロンビア大学以外からの誘いはありましたか?
  ノースカロライナ大学、ミシガン大学、デイヴィッドソン大学などから誘いはありましたが、すべては奨学金がないもの(ウォークオン)でした。
  アイビーリーグでは、プリンストン大学とブラウン大学から話がありました。実際に訪問したのはデイヴィッドソン大学とコロンビア大学だけです。デイヴィッドソン大学は、自分があまり行きたくない地域の1つであるノースカロライナ州にあることと、実際に訪問して、コーチや他の選手から自分を必要としているという印象を受けなかったのでやめました。プリンストン大学はアイビーリーグでは強豪ですし、良い教育を受けられそうな大学ではあったのですが、それほど熱心にリクルートされなかったのでやめました。
  コロンビア大学は自分を一番欲しがってくれましたし、ヘッドコーチ ジョーンズがわざわざ東京まで来て、両親と会ってくれました。その熱意に感動して決めました。また、現在のシューターが4年生なので、彼の卒業後にすぐにプレイできるというのも決め手の1つになりました。やはりすぐにでもプレイしたかったので、最終的にコロンビア大学に決めました。
#12 大学を決めた際の最大のポイントは熱心なリクルートということでしょうか?
  そうですね。一番熱心に自分を誘ってくれた、自分を欲しがってくれた大学を選びました。
 
Columbia University K.J. Matsui


#13 今季は先発出場あり、途中出場あり、30分以上プレイしたかと思えば10分しかプレイしていなかったりとバラツキがあったようですが、それについてはどのように感じていますか?
  先発であるか、控えであるかは気にしていません。ベンチに座っているだけでプレイしていない新人がほとんどです。それを考えれば、出場機会があるだけでもうれしいですね。チームのためになることをしたいと思っています。
#14 高校時代は3PTシューターとして知られていましたが、高校と大学とを比較して、やはりオープンで3PTシュートを放つ機会は少なくなりましたか?
  モントロース高校ではセットプレーが多く、比較的自分をオープンな状態にして3PTシュートを打たせてくれました。自分をオープンにしてくれることが多かったのですが、大学ではそうはいきませんね。自分で積極的に機会をつくらないと、なかなかオープンにはなれません。レベルの違いを感じますね。高校時代のほうが楽に3PTシュートをうてました。
#15 この夏、日本に帰る予定はありますか?
  日本に帰るとだらけてしまいますし、プレイする場所もないのでここにいます。夏季授業をとることも考えていません。この間に、もっとしっかりした体をつくりたいと思っています。
#16 好きな選手は?
  デューク大学のジェイ・ジェイ・レディックが好きです。彼のことは高校時代から見ていますが、彼が新人だった時代が一番好きでした。それほど俊敏ではありませんが、とにかくシュートが上手で、シュートが最大の武器という感じでしたね。今は誰も彼を止めることをできないですよね。
#17 ジェイ・ジェイ・レディックと比較されているアダム・モリソン(ゴンザガ大学)はどうですか?
  アダム・モリソンはジェイ・ジェイ・レディックと試合内容(カンファレンス)が違いますよね。レディックはACC(アトランティックコーストカンファレンス)の厳しい試合でも、誰にも止めることができない。モリソンは身長もありますし、体格もいいのであれくらいできて当たり前かな?と思う部分があります。レディックはシュートだけでなく、なんでもできる選手に成長したと思います。
#18 昨年暮れのホリデーフェスティバルで、マディソンスクエアーガーデンでプレイしていましたね。何か印象に残ったことはありますか?
  高校の頃からマディソンスクウェアガーデンよりも大きな会場で何度もプレイしているので、特にそれほどの感動はありませんでした。伝統があることは知っていますが、別にたいしたことはないですね。
#19 それでは、どこで試合をしてみたいですか?
  デューク大学の本拠地キャメロンインドアスタジアムです。あのキャメロンクレイジーの前でプレイしてみたいです。
#20 最後に、NCAAを目指している日本の選手に一言お願いします。
  自分なりに努力し、小さい頃から良いコーチに恵まれれば、必ずNCAAでプレイできます。自分は勉強とバスケットボールの良いコーチに恵まれました。