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  January 18, 2003
Fiesta Bowl Game Logo

RB Maurice Clarett
オハイオ州立大学
RB モーリス・クラレット
試合後の記者会見

RB Maurice Clarett
オハイオ州立大学
RB モーリス・クラレット(1年生)
2OTで決勝TDを決める

QB Craig Krenzel
オハイオ州立大学
QB クレイグ・クレンツェル
オフェンス最優秀選手賞受賞

WR/DB Chris Gamble
オハイオ州立大学
WR/DB クリス・ギャンブル

  
[  Results  ]
[  Photo Gallery : (1)  (2)  (3) ]

BCSフィエスタボウル

モーリス・クラレットは冷静だった

  “オハイオ州立大学の1年生RB モーリス・クラレットは、マイアミ大学を相手に走れるのか?”
  これは、BCSフィエスタボウル全米チャンピオン決定戦での大きな注目の1つでした。

  モーリス・クラレットは、BCSフィエスタボウルのある1週間、メディアの注目を一斉に浴びていました。
  彼の出身地 オハイオ州ヤングスタウンの幼馴染が死んだという知らせを聞いたクラレットは、彼の葬儀に参列するため、週の前半に、オハイオ州に戻ろうとしていました。
  ここで、誰がこの航空券代を支払うのかという問題がでてきました。クラレットは、大学に払って欲しいと思っていました。しかし、NCAA規則は、大学が、許可なしで、このような費用を支払うことを認めていません。オハイオ州立大学が、すぐにその支払いをするための許可を得るには時間が少なすぎました。また、クラレットは、航空券代を立て替えられるような現金を持っていませんでした。クラレットは、この問題について、一度、大学を非難しました。「大学は、僕に嘘をついている。僕が友人の葬儀に参列することに非協力的だ。」
  オハイオ州立大学は、大学としてNCAA規則にしたがう義務がありますし、メディアの中心にいるクラレットがアリゾナ州からオハイオ州に向かうことによって、なんらかの行為違反が起こるかもしれないというリスクをとりたくなかったのです。
  そして、大勢の人が、これが原因でクラレットが試合に集中できないのではないかと、心配していました。

  オハイオ州立大学の最終戦 ミシガン大学との試合から6週間がたち、クラレットは肩の打撲から回復しています。クラレットは、ディフェンスが体制を整える前に道を見つけることができます。その年齢にしては、普通ではない忍耐力があります。
  クラレットは、ビデオをみて研究するということはそれほどしていません。だから、マイアミ大学がランを中心とした大学と対戦したときの試合も見ていないと言っていました。「僕は、あまり考えすぎるということをしたくない。コーチが作戦を指示してくれる。だから、僕は深く考えることはしたくない。そうしなければ、僕自身が混乱してしまう。むしろ、本能を信じている。」

  一方、QB クレイグ・クレンツェル(3年生)は、 莫大な数のビデオを見て、マイアミ大学を研究していました。そんな彼でさえも、クラレットのやり方を全然心配していませんでした。「今シーズンの経験から、彼は、すべての試合に対して準備ができている。」と言っていました。

  ミシガン大学戦だけでなく、オハイオ州立大学が全米チャンピオン決定戦へ出場するためのほかのすべての試合と同じように、このBCSフィエスタボウル全米チャンピオン決定戦でも、モーリス・クラレットはオハイオ州立大学の勝利に大きく貢献しました。

  クラレットをとめられるかどうかが課題であったスピードのあるマイアミ大学ディフェンスを相手に、さすがのクラレットもなかなか走ることができませんでした。クラレットは23回のキャリーでわずか47ヤードを獲得しただけでした。マイアミ大学は、クラレットを今シーズン最低の成績に押さえ込みました。それでも、クラレットは2TDを決めました。そのうちの1TDは、延長戦2回戦で、オハイオ州立大学に勝利をもたらす貴重な5ヤードTDでした。

  サイドラインで、元オハイオ州立大学のスターRB エディー・ジョージ(NFL テネシー・タイタンズ)とキース・バイヤーズ(元NFL ニューイングランド・ペイトリオッツ)は、クラレットに「耐えろ、我慢だ。」と話しかけていました。
  試合が延長戦2回戦に突入したとき、マイアミ大学がこれまでこのような接戦を経験したことがないことを知っていて、「プレッシャーをかけろ。プレッシャーだ。」と言いながら微笑んでいました。一方のオハイオ州立大学は、ビッグテンカンファレンスの試合のなかで、何度も競った厳しい試合を経験していました。そして、その延長戦2回戦で、クラレットは決めました。5ヤードラインから飛び込み、勝利へのダッチダウンを決めたのです。

  モーリス・クラレットは、オフェンスではなくディフェンスで、もう1つの大事なプレイをしました。
  オハイオ州立大学のリード(14−7)で迎えた第3Q、オハイオ州立大学がマイアミ大学のレッドゾーンで攻めていました。オハイオ州立大学 QB クレイグ・クレンツェルのパスを、マイアミ大学 CB ショーン・テイラー(2年生)がインターセプトし、28ヤードをリターンしたところで、モーリス・クラレットがミサイルのようにテイラーめがけて突進し、ボールを奪い返しました。このプレイで、オハイオ州立大学はフィールドゴールのチャンスを得て、17−7とさらにリードを広げました。この得点以上に重要だったのは、マイアミ大学に傾きそうになった流れを、オハイオ州立大学が取り戻したことです。

  全米チャンピオンを決めた試合後、クラレットは、驚くほど冷めていました。
  オハイオ州立大学の他の選手は、みんな笑顔で、ヘルメットや腕を高々と上げて喜んでいました。これとは対照的に、クラレットは、静かで、真剣な表情をしていました。オハイオ州立大学の選手、コーチ、さらにチアリーダー、バンド、ファンが、“カルメン・オハイオ”を歌っている間も、クラレットは静かに立っているだけでした。
  試合後の記者会見で、全米チャンピオン決定戦での勝利についての質問には、「他の試合での勝利とかわりはないです。」と答え、どのようにこの勝利のお祝いをしますかという質問にも、「何も考えていません。家に帰る用意はできています。みなさんにお話できるのはこれだけです。モーリス・クラレットは家に帰る用意はできています。」と答えただけでした。

  モーリス・クラレットは、オハイオ州コロンバスに戻って、来シーズンのための体力づくりをはじめようとしています。来シーズンのことに話題が及んだときに、クラレットはやっと笑って、「ディフェンスでもプレイしたい。アウトサイド・ラインバッカーとしてもプレイしたい。オフェンスとディフェンスの両サイドで十分プレイできます。」と話をしていました。

  オハイオ州立大学のWR/DB クリス・ギャンブル(2年生)は、フィエスタボウルの全178プレイのうち、120ものプレイをしていました。ギャンブルは、レシーブで、この試合のオハイオ州立大学最長記録となる57ヤードを獲得し、また、昨年の全米チャンピオン決定戦で最優秀選手賞を受賞したマイアミ大学のWR アンドレ・ジョンソン(3年生)を完全に抑えました。
  クラレットは、ギャンブルのように、オフェンスでも、ディフェンスでもプレイしたいと思っています。しかし、ランニングバックとラインバッカーが受ける肉体的負担を考えると、それは難しいことでしょう。しかし、モーリス・クラレットに、何ができて、何ができないかを伝えようとするオハイオ州立大学のコーチに注目しておきましょう。

  クラレットは信念をもっています。それが、フットボールのことになると、たとえ、自分が勝利に興奮することがなくても、チームに貢献し、勝ちたいということが、彼のすべてです。